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コラム特集記事 稲盛経営

経営講座9. 【経営の12カ条】

2016.8.25
執筆者:菅井 憲郎(スガイノリオ)

 

【質問】 稲盛氏が言う「優れた経営者になるための12か条」を具体的に、説明してください。

―― あなたは、優れた経営者として、どのような信条を持っていますか?――

 

【回答】

 「経営の12カ条」の内容は、「人としての心構え」と「経営者としての在り方」に関することが含まれています。そこで講座では、この2つに分類して記述します。また、文章の表現は、稲盛氏の著書や発言を引用しつつ、筆者が作成したものです。

 

1.人としての心構えに関し、

 

【一条】 強烈な「願望」を心に抱く。

  • 潜在意識に透徹するほどの強く維持した願望を持ち、思っていることがカラーになるまで考えると、閃き(ひらめき)が出るようになります。
  • 能力は、磨けば、伸びるし、進歩するものです。
  • 「何とかしよう」という思いが自分を伸ばします。

【二条】 経営は「強い意志」で決める。

  • 経営に当たっては、岩をも穿つ(うがつ)強い意志が必要です。成功するためには、ビジョンを高く掲げ、願望を信念にまで高めて、粘ることが必要です。
  • 素晴らしいビジョンを共有し、こうありたいと社員が強く思えば、夢の実現に向かって、どんな障害をも乗り越えようとする強大な力が生まれるものです。
  • 心の奥底から思い、信念にまで高めると創意と工夫が生まれます。
  • 飽和市場で生き残るためには、目標を『日本一』、『世界一』と掲げ、それを弛まず、言い続けることによって、社員に夢を持たせ、エネルギーを注入することができます。
  • 物事を成し遂げるのは、才能や能力ではなく、その人の持っている強い情熱と熱意ですし、成功するまであきらめない執念です。
  • 成功しない人は、粘りがなく、うまくいかないときにすぐにあきらめてしまうか、体裁のいい言い訳を見つけて自分を慰め、断念するものです。
  • 壁を乗り越えて成功するためには、将来起こりうる環境の変化に対応することが必要です。そのためには、常に先を読み、強味(得意技)を磨いておかなければなりません。
  • 経営者は、状況が悪くても、希望を失わないことが大事です。そもそも、事業で成功することは金脈を掘り当てるように難しいものです。成功した人としなかった人の差は、壁を超えたか越えられなかったかの紙一重です。

【三条】 「燃える闘魂」を持つ。

  • 仕事は真剣勝負の世界であり、その勝負には常に勝つという姿勢で臨まなければなりません。
  • 仕事には、さまざまな形で困難や圧力が襲ってくるものです。このような時に、ひるんでしまい、信念を曲げて妥協してしまいがちです。こうした困難や圧力をはねのけていくエネルギーの源はその人の持つ不屈の闘争心です。
  • 経営には、どんな困難にも真正面から取り組む格闘技にもまさる激しい闘争心が必要です。
  • 格闘技にも似た闘争心があらゆる壁を突き崩し、勝利へと導くのです。どんなに辛く苦しくても、「絶対に負けない。必ずやり遂げてみせる」という激しい闘志を燃やさなければなりません。
  • 経営者は、集団のリーダーですから、まさに勇者でなければなりません。

【四条】誰にも負けない「努力」をする。

 このことは、稲盛氏は、『六つの精進』でも述べています。

  • 地味な仕事を一歩一歩、堅実に、弛まぬ努力を続けことです。
  • 社員の物心両面の幸福を実現することは難しいことです。そのためには、経営者が、誰よりも努力することが求められます。

【五条】 「勇気」を持って事に当たる。

  • 真実を隠したり、責任逃れのような卑怯な振る舞いをしてはいけません。
  • 本気が覚悟を決めます。稲盛氏は、事業を成功させるためには、経営者が、成功のための本気のスイッチを押すことが必要です。
  • 稲盛氏も、初めは何もかもうまくいかなかったけど、それでも希望を失いませんでした。そんなときには社員寮ウラの桜並木が続く小川のほとりで腰かけて、『故郷』を歌って元気づけました。
  • 中途半端な時は、言い訳が出て、壁を乗り越えることができませんが、本気だと、壁にぶつかった時に解決策が見え、覚悟があれば勝機が見えてきます。
  • 経営者にとっては、「もうダメだ」と思ったときが、仕事の始まりです。経営者には、企業に対する無限の責任を持つことが求められます。
  • 優れた社員を育てるのは、厄介なことです。しかし、それは経営者の仕事であると自覚したときに覚悟が生まれ、その覚悟が社長業を「苦の労働」から「楽の朗働」に変えます。
  • そのように経営者が本気の覚悟をすれば、新たな求心力を生み出すことになります。
  • 稲盛氏は、社員を見つめことによって覚悟ができ、倒産の恐怖から人材育成の喜びへと意識変化を生みました。

【六条】 常に「創造的な仕事」をする。

  • 与えられた仕事を一生懸命に行うことは大切ですが、ただそれだけでよいということではありません。
  • 一生懸命に取り組みながらも、常に「これでいいのか」ということを毎日毎日考え、反省し、今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に創意工夫と改良改善を絶え間なく続けることが大事です。
  • 稲盛氏も、本田宗一郎氏も、そのように常によりよくしようと創意工夫したから新商品を開発することができました。

【七条】 人には、「思いやりの心」で誠実に対応する。

  • 人の心には「自分だけが良ければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にしてもほかの人を助けよう」という利他の心があります。
  • 利己の心で判断すると、人の協力を得ることができません。自分中心ですから、視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。
  • 反対に、利他の心で判断すると、周りの人の協力を得ることができ、視野も広くなり、正しい判断をすることができます。
  • 利他の心で判断するというのは、悟りの境地になることなので、簡単なことではありません。それでも、努力することが必要です。
  • 商いには相手がいます。自分の利益のために、相手に犠牲を強いるのではなく、相手を含めてみんなが喜び、ハッピーであることが大事です。

【八条】 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて「率直な心」で仕事する。

  • どんなに逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望を持ちながら一生懸命努力を重ねてきた結果が、京セラの今日を作ったのです。
  • 人生がうまくいっている人は、必ず明るい心をもっています。心根が暗く、不平不満ばかりこぼしたりしているようでは、素晴らしい人生をおくることはできません。
  • 何が起きても、「自分の人生は素晴らしく、明るいと信じて、誰にも負けない努力をすることです。
  • たとえ、相手が自分に対して悪意を以って何かを仕掛けても、「あの人は馬鹿じゃないだろうか」と疑われるくらい、ニコニコしながら受け流してしまうのです。
  • 人生は、素晴らしい希望に満ちています。常に「自分には、素晴らしい人生が開かれている」と思い続けることが大切です

 

(2) 企業経営に関し、

 

【九条】具体的な「目標」を立てる。

  • 目標は、全社員の力を結集するためにつくるものです。
  • また、職場のどの社員に聞いても即座にその目標を言えるほどにそれを全員に周知徹底し、常に社員と共有しなければなりません。
  • なお、目標の立て方については、「目標の立て方」を参照してください。

【十条】 事業の「目的・意義」を明確にする。

  • 事業を行う時は、「なぜこの事業を行うのか」という企業の目的を明確にしなければなりません。
  • その内容は、公明正大で大義名分があり、社員が心から受け入れてくれるものでなければなりません。そうでなければ、社員はその経営者の基で働きたいと思わないからです。

【十一条】 「売り上げ」を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。

  • 経営はシンプルなもので、その基本は、如何にして売り上げを大きくし、如何にして使う経費を小さくするかということにつきます。
  • 「入るを図り、出るを制する」という言葉のとおりです。利益は後からついてくるものですから、利益を追うようなことはしてはいけません。

【十二条】 「値決めは経営者」が行う。

  • 経営の生死を決めるのは、値決めです。
  • 値決めはトップの仕事です。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点です。その一点を判断することは、経営者の使命です。
  • 例えば、コカコーラは、日本に進出したときに、他の飲料よりも高い売値を設定して、それから得る利益を販売促進に振り向けました。
  • ヤクルトは、高い売値なため、それだけ高い粗利を稼ぐことができ、販売員の給料も高くできます。そのため、販売員は、教育を受けて、そのヤクルトを、単なる飲料水ではなく、健康に役立つ飲料であることを売りとして販売に努力しています。

 

菅井 憲郎(スガイノリオ)

菅井 憲郎(スガイノリオ)

慶応義塾大(経済)卒。
警察庁、外務省、兵庫県、茨城県に勤務後、鹿児島県庁で青少年育成、消費者保護、国際交流、高齢者福祉、職員研修、産業振興(商工業、林業、水産業)、ウォーターフロント開発等を担当。その後、鹿児島総合研究所専務取締役、鹿児島国際大学大学院教授、鹿児島県立短期大学講師等に勤務する傍ら、運輸事業(バス、船舶等)の経営にも携わる。
著書に「自治体の国際化政策」、「ムラからの国際交流」、「虹色の鹿児島を描く」など。政策研究・論文及び講演等多数。

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