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地方創生に係る人口ビジョン・総合戦略に関する調査結果

2016.2.8
執筆者:編集スタッフ

 「地方創生」をテーマとした自治体へのアンケート調査を12月に実施。調査は書面郵送で行い、43自治体中26自治体から回答を得た(回収率60.5%)。調査では、「まち」「ひと」「しごと」それぞれについて重視していく政策パッケージや、地方創生推進における国・県に期待すること、目標管理・評価のあり方について質問した。

 この調査結果を踏まえ、県内自治体における地方創生に関する考察は、以下のとおりである。

 

【調査結果の概要】

  • 県下の自治体は、おしなべて人口の少子化・高齢化、若い世代の地域外転出による人口の減少とそれに伴う産業の担い手の不足という課題を抱えている。 
  • このため、地域活力の低下、街の賑わいや地域文化・産業の衰退という不安を感じている。

 

  • このうち、「まち」については、財源に限界があるためか、国や県が力を入れているコンパクト・シティのような新しいまちづくりではなく、自治体としては、空き家、公共施設等の既存施設の活用を重視しているが、活性化の方策の具体策が見つからない状況にある。
  • 自治体の規模別にみると、自治体の規模が大きくなるほど小さな拠点の形成、道路や公共交通網の整備充実、周辺自治体との連携の推進を重視している。

 

  • また、「ひと」については、どの自治体も結婚・出産・子育てまでの切れ目のない支援、域外からの移住促進を重視している。しかし、人材確保の必要性を痛感しつつも、女性の活躍や新卒者への就職支援は、さほど重視されていない。

 

  • 「しごと」については、どの自治体も農業と観光を重視している。また、域外からの企業誘致に限界があるため、地域の既存産業の振興と新しい産業の創出に可能性を見出そうとしている。

 

  • 総じて、地方創生については、全国的にはイベントや施設の成功事例などがマスコミに取り上げられたり、外国人観光客の爆買いのような明るい現象も見られ、また、国においても行政機関の地方分散など、様々な手を打ってはいる。
  • しかし、我が国の経済がデフレ状態からの脱却を目指したアベノミクスの三本の矢は、あまりにも希望的・抽象的で、具体性に欠けるため、その行方も見通せない状態にあるなど、実態に適した有効な政策は見受けられない。

 

  • このような環境の中で、県下の自治体は、人口の高齢化と減少という人口問題や商店街のシャッター通り化の進行などの地域経済の停滞という足元の課題を抱え、出口を求めて暗中模索しているが、財源と人材の両輪を欠いて、四苦八苦している状況にあると考察される。
  • また、ほとんどの自治体で、人材の育成・確保、産業基盤の整備・充実という地域経営の視点からの施策に重点が置かれていないことに鹿児島県としての不安が残る。

 

【調査結果の詳細】

 

1.総合戦略で重視していく政策パッケージ

 (1) 「まち」に関して重視する政策パッケージ

  「空き家や公共施設などの既存ストックの利用促進」をあげた自治体は65.4%にのぼった。続いて、「小さな拠点の形成」と「周辺自治体との連携」が38.5%、「道路、公共交通網の整備充実」が30.8%の回答だった。一方で「コンパクト・シティの推進」は3.8%、「地域防災の強化」は15.4%と少なかった。

 人口規模別で見ると、自治体の規模が大きな自治体ほど「小さな拠点の形成」、「道路や公共交通網の整備充実」、「周辺自治体との連携の推進」の優先度が高い。

 

地方創生まち

(2) 「ひと」に関して重視する政策パッケージ

  「結婚・出産・子育てまでの切れ目のない支援」をあげた自治体は88.5%にのぼった。続いて「域外からの移住促進」が80.8%、「域内からの流出抑制」「教育環境の整備、就学支援」がほぼ横並びで30~40%の回答だった。一方で「女性の活躍への支援の充実」は3.8%、「若い世代の経済的安定対策」は11.5%、「新卒者への就職支援」は15.4%と少なかった。

 人口規模別で見ると、自治体の規模が大きな自治体ほど、「域内からの流出抑制」の優先度が高い。一方自治体規模が小さな自治体では、「教育環境の整備、就学支援」の優先度が比較的高くなっている。

地方創生ひと

 

(3) 「しごと」に関して重視する政策パッケージ

  「農林水産業の成長産業化」が73.1%、「観光業の振興」が61.5%、「起業・創業の支援」が57.7%となっており、この3つの政策パッケージの優先度が非常に高くなっている。続いて「地域産業を担う人材の育成」が26.9%、「域外企業・産業の誘致」が23.1%などと続いている。一方で「既存の中小・零細企業への支援」は7.7%、「地域を担う中核企業への支援」と「産業基盤の整備」は11.5%と少なかった。

 人口規模別で見ると、自治体の規模が大きな自治体では、「域外企業・産業の誘致」の優先度が高い。

地方創生しごと

 

2.地方創生を進める上で国に期待すること

  「財政的支援」をあげた自治体が96.2%となっており、ほとんどの自治体が、地方創生を進めるにあたって財政面が障壁になっていることがうかがえる。続いて、「人材育成に対する支援」(42.3%)、「企業の本社機能等の地方移転の促進」と「政策形成に関する支援・情報の提供」(38.5%)などが高い。一方、「地方分権の推進」(3.8%)や「特区制度の普及」(7.7%)などをあげる自治体は少ない。 

地方創生くにへの要望

 

3.総合戦略の目標管理・評価方法

 (1) 期間

 人口ビジョン・総合戦略の数値目標、KPI(重要業績評価指標)の目標管理・評価の期間については、「年度ごとに検証・改善を行う」が76.9%と、ほとんどの自治体が年度ごとの検証・改善を行うとしている。

地方創生評価期間

(2) 機関

 目標管理・評価の機関については、「策定時の有識者会議等による評価」が69.2%、「評価のために設置する第三者会議の設置」が26.9%となっており、第三者を含む評価機関を想定している。一方、「行政内部(担当部署)による評価」も34.6%、「住民(アンケートやワークショップ等)の意見把握」が15.4%にとどまっている。

地方創生評価機関

 

 

編集スタッフ

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