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時論・創論 自治

市議選挙を顧みて  市議に何を期待するか

2016.4.20
執筆者:菅井 憲郎(スガイノリオ)

 

 何となく、市議選挙が終わった。その投票日のこと、あるところでの会話だが、「選挙に行ったか」と聞かれて、「えッ!選挙があったっけ?」とか「市議選があるのを忘れていた」と答えていた人が多かった。だから、投票率は、過去最低の40%程度だった。

 それほど、今度の市議選は、存在意義が薄かった。

 

 ところで、この選挙の結果、何が変わるのだろうか、さっぱりわからない。おそらく、何も変わらないだろう。

 市民も、期待をしていないのではないだろうか。

 

 では、何のための選挙だったのだろうか。

 結局、市議になった人たちの就職活動に加担しただけになるのだろうか。

 

 そこで、4月13日付の南日本新聞の候補者に対するアンケート調査により、市議候補者が掲げていた政策目標を調べてみると、56人の候補者のうち、半分が、「地域づくり」とか、「まちづくり」を重要政策としていた。

 その内容をみると、安全なまちづくりとか、福祉の充実というものである。しかし、まちづくりといえば、鹿児島は、市立病院や交通局の跡地利用とか、天文館などの商店街の活性化、ウォーターフロント開発、交通混雑を解消するための南北幹線道路の整備などの街づくりの課題を抱えているが、これらに取り組もうとする人がいないのである。

 地域が発展するには、街の姿が変わるほどのプロジェクトが必要と言われるが、今度の市議選に見る限りは、そのような政策を期待できる政治家はいないということである。

 

 ついで、多くの候補者が重視している政策は、「子育て」である。しかし、その内容は、具体的でないため、保育所の整備とか、教育の充実なのか、親に対して経済支援をしようとするのかが曖昧である。

 

 これ等の政策の内容が具体的でないのは、字数に制約があったからだけではなく、具体的な政策を持っていないからではないかと推察する。

 

 また、なんといっても、市民の豊かな暮らしを実現するためには、雇用や所得を確保することが必要であるが、これを重要視する候補者は、わずか2人だけであった。

 

 そして、近年の長期停滞する日本経済に一筋の光明を差しているのは、外国人観光客の増加であるが、このことを考えてか、観光振興を重要政策としている候補者もいたが、今後の観光対策としては、円安や一時的なバク買いブームに乗り遅れないための対応策ではなく、例えば、「北の大地」の北海道とか、「古都」の京都のように、観光地としてのブランドを確立したうえで、その内容が充実した本格的な観光対策を期待したいものである。

 

 それにしても、私たちの暮らしは、毎年のように年金が目減りしている。反対に、物価や医療費などの負担は、じわじわと増え続けている。さらに、一年後には、消費増税が予定されている。

 

 私たちの生活の厳しさは、深刻である。それなのに、国会では、アベノミクスが成功したとかしないとか、空中論議をしているだけである。せめて、鹿児島市議会は、私たちが抱える身の回りの切実な課題を論議してもらいたいものである。さらに、「議論のための議論」ではなく、一歩でも前進する【実のある政治】をしてもらうことを期待する。

菅井 憲郎(スガイノリオ)

菅井 憲郎(スガイノリオ)

慶応義塾大(経済)卒。
警察庁、外務省、兵庫県、茨城県に勤務後、鹿児島県庁で青少年育成、消費者保護、国際交流、高齢者福祉、職員研修、産業振興(商工業、林業、水産業)、ウォーターフロント開発等を担当。その後、鹿児島総合研究所専務取締役、鹿児島国際大学大学院教授、鹿児島県立短期大学講師等に勤務する傍ら、運輸事業(バス、船舶等)の経営にも携わる。
著書に「自治体の国際化政策」、「ムラからの国際交流」、「虹色の鹿児島を描く」など。政策研究・論文及び講演等多数。

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