鹿児島ウォッチャーは「鹿児島を深堀する」ネットメディアです

鹿児島ウォッチャーは「鹿児島を深堀する」ネットメディアです

  1. HOME
  2. レポート
  3. 経営講座1.企業経営の目的

コラム特集記事 稲盛経営

経営講座1.企業経営の目的

2016.4.1
執筆者:菅井 憲郎(スガイノリオ)

 

質問1

稲盛経営では、どのような目的で企業を経営すべきとしていますか?

―― あなたは、どのような目的で、企業を経営していますか? ――

 

回答

1.稲盛氏は、「経営者にとって、最も大事なことは、企業経営の目的を明確にすることです」と言います。

 

2.稲盛経営では、企業経営の目的を、「働く人を物心両面で幸せにすること」と「社会に貢献すること」としています。

 

3.多くの経営者は、企業経営の目的を「利益を上げるため(平たく言えば、金もうけのため)」と考えがちですが、そのような目的で企業を経営すると、自己の利益のみを求めるようになります。

 しかし、利益優先の企業は、社会の支援を受けることができなくなります。また、社員までも、金もうけのために働いていると、高い賃金だけを求めるようになります。

 人間は、欲深いものですから、やがて「利益とか賃金が自分の働きに比べて少ない」とか「もっと欲しい」と思うようになります。

 そうなると、経営者は求心力を失います。そして、社員は企業に対する忠誠心を失うことになります。

 また、心の歪みとか隙間ができて、仕事に進歩しないどころか、不正やミスを引き起こすことになります。

 かつては、目覚ましい業績を上げてきた企業とか社員が、やがて凋落していくのはこのような事情があるものと考えられます。

 

4.稲盛氏は、企業経営の目的を達成するために実践すべきこととして、次の三項目を挙げています。

  • 市場に直結した部門別採算制度を確立すること。

  • 経営者意識を持つ人材を育成すること。

  • 大家族主義で、全員参加の経営を実現すこと。

 

【参考1】会社は、何のためにあるのか

 

 塚越寛氏(伊那食品工業の経営者)は、その著書「リストラなしの年輪経営」(光文社刊)で、

 「(私は、)少し余裕ができたときに、会社とは何のためにあるのかを考えた。長い間考え続けた結果は、『会社は社員を幸福にするためにある。そのことを通じて、いい会社をつくり、地域や社会に貢献する』というものでした。」と、述べています。

 

【参考2】企業の責任

 

 稲盛氏が京セラを創業したときに、立ち上げを支援した青山政次氏の孫である青山敦氏(立命館大学)は、その著書「稲盛和夫心の経営システム」のなかで、稲盛経営を踏まえて、企業には、次のような責任があるとしています。

■イノベイションによる新しい価値の創造

 企業は、経営資源を結集して、イノベイションを行い、価値を創造し、提供する責任を持っている。

■社会の福祉の維持・増進

 企業は、社員に対して、安心して将来設計ができるだけの経済的基盤と、社会に貢献するという生きがいや、人間としての成長の場を提供する責任を持っている。

■安心安全な社会の創造

 企業は、事業活動とその結果において、社会に危険や不安をもたらさないように努めなければならない。

■持続可能な社会の構築

 企業は、必要以上の資源を消費したり、環境を破壊したり、過当競争することなく、他社とも協力して、持続的なビジネス環境を維持するように努めなければならない。

■社会正義の促進

 企業は、法令を遵守し、高い倫理基準に従う行動規範を設定して、社会正義の促進に参画しなければならない。

 

 この講座を読んでいただき、ありがとうございます。次回は、一週間後に掲載します。

菅井 憲郎(スガイノリオ)

菅井 憲郎(スガイノリオ)

慶応義塾大(経済)卒。
警察庁、外務省、兵庫県、茨城県に勤務後、鹿児島県庁で青少年育成、消費者保護、国際交流、高齢者福祉、職員研修、産業振興(商工業、林業、水産業)、ウォーターフロント開発等を担当。その後、鹿児島総合研究所専務取締役、鹿児島国際大学大学院教授、鹿児島県立短期大学講師等に勤務する傍ら、運輸事業(バス、船舶等)の経営にも携わる。
著書に「自治体の国際化政策」、「ムラからの国際交流」、「虹色の鹿児島を描く」など。政策研究・論文及び講演等多数。

記事の評価、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。

会員の方

パスワードをお忘れの方、
再設定を希望する方はこちら

会員以外の方

鹿児島ウォッチャーは無料会員制です。
会員登録をされる方はこちらから

お申込み
「ウォッチ!県議会 県議会って何だ」
稲盛経営
『稲盛経営』実践の手引き
PCサイドバナー1(中)
ページの先頭へ