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ドゲンかせんといかん 鹿児島の観光(その2)

2016.3.2
執筆者:菅井 憲郎(スガイノリオ)

中国の春節で、中国人観光客が、ワンサカと全国各地に押し寄せてきた。観光関係者は、その爆買いに期待しているが、こんな状況がいつまで続くのだろうか。日中関係や為替相場が、いつ、急変するか、不明である。

また、地方の観光対策が、これでいいのだろうかとの疑問がわく。冬を前にしたキリギリスかもしれない。爆買いに浮かれていないで、早く本物の観光対策を見つけておかなければいけないのではないだろうか。

 

国は、デフレ経済から脱出するため、そしてまた地方は創生事業として、農業と合わせて観光業を重視している。

 

では、どのようにして観光業を振興するかと、国や専門家に訊ねると、決まり文句になっているのが、「地域の資源を生かせ」という。その様なことは、どの自治体も、とっくに分っている。問題は、何が資源で、それをどのように生かすかである。地方は、そのことに暗中模索しているのが現状である。

その光明をドラッカーのマネジメントに求めると、客は誰か、その客は何を求めるかを考えることである。それを、観光客が集中しているゴールデン・ルートといわれる北海道、東京、京都で見ると、

まず、北海道は、広々とした雄大な自然景観と食べ物に人気がある。特に、南の国の人にとっては、雪景色とスキーを楽しめることが魅力になっている。

そして、東京とその周辺は、近代的な都会の賑やかさである。それは、ニューヨークやパリが有数の観光地であることと同じだ。また、東京の場合は、浅草のような伝統的な日本らしが人を引き付けているようだ。

京都の魅力は、日本的な情緒のある街並みである。寺社などの名所旧跡ではない。日本食とか伝統的なイベント、さらには着物を着たり、茶の湯や華道、さらには舞妓さん体験などが喜ばれているようだ。

 

これらのことから鹿児島の観光を考えると、次の4つのことが言える。

第一は、体験型の観光地を造ることである。最近は、ゴールデン・ルートだけでなく、地方にも押しかけてきて、民泊して、農作業や食事作り、さらには日本的な習慣にまで関心が強い。

そこで、鹿児島としては、桜島と錦江湾を活かして、マリンスポーツやクルージングなどの非日常的な「コト」を付加して、思い出に残るようなコト、感動するコトを演出するのである。

 

二つは、美しい街づくりである。観光客は、日常の生活や仕事を離れて、気分転換を求めている。これに応えるために、非日常的な綺麗な街を整備することである。実際、ヨーロッパやハワイ、シンガポールなどの観光地では、洒落たデザインの建物をはじめ、街路なども、文化的な深みのある街づくりをしている。

そこで、鹿児島であるが、結構、きれいな街になっている。グリーン・ストーム作戦で道路脇の植栽は、赤やピンクなど色とりどりの花がいっぱいだし、高く澄んだ青い空と海や桜島の景観は世界にも誇れるほどに素晴らしい。

しかし、単に花がいっぱいできれいな街ではなく、楽しく歩けるプログラムを作ったり、そこに住んでいる人たちが、どのようにして街をきれいにしているかを体験できるようにすることが必要である。

 

そして、三つ目に、もてなしである。そもそも、「サザン・ホスピタリティ」といわれるように南国鹿児島は、人々を温かく迎える風土がある。観光客は、訪問地の人達とのふれあいを求めている。だから、もてなしを具体的に体験できる仕掛けを作ることが必要である。例えば、観光客が立ち寄る施設などにおいて、出迎え方や外国語での挨拶、声掛け、説明などの会話ができるようにすることも考えられる。

 

そのうえ、鹿児島は、若いサムライたちが、命をかけて成し遂げた明治維新という歴史を創った。これを生かして、サムライ文化を体験出来る街づくりをしては、どうだろうか。

「サムライ文化」というのは、700年の武士社会を通じて生死をかけて築いてきた清く正しく美しい生き方である。初めは武士だけのものであったが、今は、日本民族の共通の財産となっている。それが、混とんとした現代の国際社会でも憧れのような眼を持って見られているのである。

四つ目に、思い出になるような感動のある食事ができる街をつくることである。鹿児島は、海の幸、山の幸が豊富にある。沢山あるとか、どれもおいしいではなく、どの様に調理して提供するかの工夫が必要である。

今、多くの外国人観光客が、高級な食事どころではなく、下町のラーメン店や蕎麦屋などで、日本人が日ごろ食べている食事を楽しんでいる。

そこで鹿児島では、折角の桜島や錦江湾などの景色も食事のメニューのうちに生かせるような工夫が求められる。

 

菅井 憲郎(スガイノリオ)

菅井 憲郎(スガイノリオ)

慶応義塾大(経済)卒。
警察庁、外務省、兵庫県、茨城県に勤務後、鹿児島県庁で青少年育成、消費者保護、国際交流、高齢者福祉、職員研修、産業振興(商工業、林業、水産業)、ウォーターフロント開発等を担当。その後、鹿児島総合研究所専務取締役、鹿児島国際大学大学院教授、鹿児島県立短期大学講師等に勤務する傍ら、運輸事業(バス、船舶等)の経営にも携わる。
著書に「自治体の国際化政策」、「ムラからの国際交流」、「虹色の鹿児島を描く」など。政策研究・論文及び講演等多数。

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