「中国、韓国とどのように向き合うか」
- 2015.8.5
- 執筆者:編集スタッフ
何かと、ヤキモキさせられていた鹿児島の集成館が、やっと世界遺産に登録されることが決まった。
喫茶店での会話も、そのことに集中したので、報告する。
「なんだろうね。あの、韓国の態度は!」
「そうだね」
「事前の審査で登録することが決まっていたのにね」
「その場になって、韓国が強く反対したね」
「韓国が反対したのは、遺産のどこが問題なの?」
「登録申請している施設の中に、韓国人が強制労働させられたものがあるから、世界遺産にするのは相応しくないという」
「どの施設かな?」
「遺産登録する施設は、23あるんだけど、そのうち七つが、韓国人が強制労働された施設なんだと」
「その七つッて、どこかな?」
「集成館は?」
「鹿児島の施設も入っているの?」
「長崎や熊本にある炭鉱や造船所、製鉄所なんだけど、鹿児島は入っていない」
「外務省は、韓国の反対に対して、文化施設の登録に政治を持ち込むなとか、認定される時代が違うと言っていたけど」
「日本だけの言い分で、韓国が納得するものじゃなかったよね」
「結局、登録申請した施設に関するコメントで、韓国側は、“強制労働”させられたという表現をしようとした」
「それに対して、日本は、“徴用工”として働いたのであって、強制労働ではないと主張したんだ」
「従軍慰安婦と同じようなやりとりだね」
「結局は?」
「韓国が英語で“レイバー”と主張したけど、日本は“ワーカー”に直したという」
「違いは何かな?」
「英語の意味は、同じらしい」
「外務省は、交渉の成果のような言い方をしているけど」
「外務省の独りよがりさ」
「国際的には、強制労働があったと認識されているらしい」
「だから、自民党からは、今後、賠償責任の口実にされるンじゃないかと疑問が投げかけられている」
「強制労働といえば、ドイツがやったアウシュビッツの強制収容所なんかどうだったンだろうか」
「30年以上の前の1979年に登録されている。ただね、負の遺産としてね」
「そこに違いがあるのかな?」
「少し違いがあるね」
「歴史には、光と影があるからね」
「立場が違うと、光や影の見え方が違う」
「たとえだけど、加害者と被害者の立場かな?」
「そう言うことだね」
「日本としても、負の側面があったことは認めるべきじゃないかな」
「そう思うね。間違ったことを素直に認めないと、正しいことを認めてもらえない」
「同じようなことが、戦後70周年の総理大臣談話にも言えるンじゃない」
「安倍さんは、反省とか謝罪という言葉にこだわっているね」
「反省や謝罪は、近隣諸国だけじゃなくて、日本国民にすべきじゃないかな?」
「地上戦があった沖縄や原爆被害のあった広島、長崎の人」
「それだけじゃない。東京や、そう、鹿児島でも空襲があった」
「全国の各地で民間人を対象に、無差別空襲があった」
「空襲だけじゃない。戦争は全ての国民が生活破壊された被害者だった」
「だから、政府は、国民にも、謝罪すべきだよね」
「時の政府の誤った判断で、国民が被害にあったことのネ」
「今の安保法制を巡る論争を見ていると、そのことを安倍さんは意識してないね」
「そう。武力行使と戦争の違いが分かっていない」
「それにしても、韓国の反対の仕方が気に障るよね」
「やり方がね」
「朴大統領は、韓国を訪問したユネスコの責任者に登録を認めないように要請したし」
「直前に両国の外相会談で了解したはずなのに、現場で、反対した」
「反対の仕方が、姑息だよね」
「いつも感じるンだけど、日本の外交は、弱いね」
「この前の戦争直後にネ、日本が敗戦で混乱しているときに、韓国は、李承晩ラインを一方的に引いたよね」
「ああ、それって、公海上の排他的経済水域のことでしょう?」
「海洋資源の独占のためだよね」
「それで、竹島が、一方的に韓国領にされてしまった」
「そう、それで、ラインを越えた漁船や漁民が韓国に抑制されて、多額の賠償金を払わされた」
「このラインが廃止されるまでの13年簡に、抑留者は34,000人、拿捕された漁船は330隻というよね」
「銃撃で、多くの人が殺された」
「あの時の賠償を請求できないのかな?」
「戦後間もなく、日本は、国民が苦しい生活しているときに賠償金を払って韓国のインフラ整備に貢献したのに、少しも感謝していない」
「それにしても、こういう状況を見ると韓国は、信用できないね」
「韓国も、千年の恨みを忘れないといえば、向う千年間はブリ返しがあるンだろうね」
「韓国は、今後は蒸し返さないと約束したらしいけど」
「外務省のお人好し外交」
「ちょっと違う」
「えッ!」
「“お人好し”じゃなくて、“能力”の問題」
「自分の都合のいいようにしか解釈できないということね」
「北朝鮮の前歴もあるからね」
「ニセの遺骨を持たされたり、今度は、調査結果を一年たっても、回答してこない」
「北朝鮮に言われて、モンゴルや北欧まで出かけて行って、何の収穫もない」
「信用できないと言えば、中国も」
「尖閣もだけど、南シナ海が心配だ」
「南シナ海は、日本から離れているし、日本と関係が薄いンじゃない」
「いや、アメリカがフィリピンや台湾、ベトナムとの関係で中国と対峙するとなると、日本は後方支援を要請される」
「中国は、毛沢東のころから、国家の政策として、東シナ海から南シナ海、インド洋を経て中東までを、中国の権益の範囲としている」
「中国のその政策は『一帯一路』というンだね」
「そう、今から5,60年前だけど、経済力や軍事力が弱かったので、控えていた」
「それでも、軍事力が弱かったチベットは、侵略された。映画になっているね」
「セブン・イヤーズね」
「そう言えば、この前、中国の外交部長が、『今、欧米は南紗諸島のことを侵略といっているけど、百年前には、中国は、欧米諸国から侵略された』と言っていた」
「私もニュースで見た」
「『今は、同じことを、中国がしているだけだ』とネ」
「ということは、侵略を認めたということだよね」
「しかも武力を使って」
「それじゃ、帝国主義そのものじゃない!」
「そういえば、習近平総書記が、太平洋を中国とアメリカで分け合おうと提案していたね」
「領土を分け合おうというのは、帝国主義の発想だ」
「100年ほども前の古い考えだ」
「西郷さんの言葉だけどネ…」
「西郷隆盛?」
「そう。世のなかを治めるのに、二つの道があるって。一つは、王道、もう一つは、覇道」
「どういう意味ですか?」
「王道は、徳を持って治めること。覇道は、力を持って治めることだって」
「今の中国は覇権主義だね」
「安保法制の改正を数で押し切ろうとしている安倍さんも、覇権主義」
「それにしても、中国は、国際感覚が未熟だ」
「政治も、経済も」
「軍もね」
「尖閣列島で、自衛艦に対してミサイル照射する事件があったね」
「国際的には、戦闘行為じゃない?」
「そのことが責任問題にならなかった」
「ということは、その照射事件が、一人の軍人の跳ね上がりじゃなくて、軍全体、国そのものの未熟さを表していること?」
「そのことが、南シナ海で起こらないか」
「アメリカ軍なら、すぐに迎撃するンじゃないかな」
「十分にあり得るね。何しろ中国は、南シナ海で、ベトナムやフィリピンの船舶に放水したり、衝突してきているから」
「日本は、そういう中国や韓国と、どの様に向き合っていくべきなのかな」
「友好関係なんか、要らないと言う人もいるよ」
「う~ん!経済のつながりは大きいからね、無視することはできないンじゃないかな?」
「政経分離で、付き合えば」
「どういうこと?」
「我々の生活と同じように考えればいい」
「もうちょっと分かり易く説明して」
「つまり、中国、韓国は、国じゃなくて、日本のそばにあるショッピングセンターと思っては、取り扱ってはどうかな?」
「必要なものを売り買いする場でしかない」
「そう。物資の売り買いはするけど、友達付き合いのような深い付き合いをしないというのは、どうかな?」
「できるのかな?」
「できないことはないけど、国民の意識づくりとか、付き合い方のルールが必要だね」
結局、このときの会話は、はっきりとした結論なく、終わってしまった。
その時に、岩手県の中学生のいじめの問題がニュースで伝えられて、話題は、そちらに移っていった。
次回は、イジメとか、無責任社会について、報告する。
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