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コラム イヌの小耳

安保法制議論の裏にあるもの

2015.6.4
執筆者:犬太郎

「今、国会が騒がしいネ」

「ねェ、ねェ。集団的自衛権とか後方支援って、何なの?」

「日本が戦争に巻き込まれたり、自衛隊員のリスクが増すとか言っているけど」

 

女性の常連客が、男性客の方に話しかけたことから、この話題について、居合わせた客が全員参加の様相になった。

 

「いろいろ、分かりにくい言葉が飛び交っているネ」

「今度の国会で決めようとしているのは、日本の武力行使をしやすくしようということでしょ?」

「誰か、わかりやすく教えてくれない」

 

このとき、これまで黙っていた国家公務員OB氏が口を開いた。

 

「そうねえ。政府が法律を提案するときは、先に、具体的な事態を想定しているものなンだ。だから、一つ一つの言葉にひっかかっちゃいけないンだ。」

「つまり、法律の言葉があって、事態があるのじゃなくて、先に事態があって、それに対応するために法律を作るということ?」

「でもネ、国会での審議では、法令の文言の解釈にこだわっているヨ」

「だから、余計に分かりにくくなっているのサ。今度の安全保障のことも、大局から見た方が、分かりやすいヨ」

「どういうこと?」

「安倍さんは、中国が尖閣諸島に上陸する事態を想定している。これが最初。このときには、日本だけでは負けてしまうので、アメリカ軍の協力を得て対抗しようと考えている」

「その陰には、日本の軍事力は中国に比べて弱いけど、アメリカとなら中国に勝てるという事情があるンだよネ」

「そう。そのためにも、尖閣列島の有事に備えて、アメリカを結び付けておきたい」

「アメリカは、日本のために、そこまでやってくれるの」

「安全保障条約では、日本がアメリカに基地を提供する代わりに、アメリカは、軍事的に日本を支援することになっている」

 

「でも、ただ一つ問題がある。今の憲法では、中国軍が尖閣列島に上陸することが、日本への軍事攻撃かどうかが曖昧なんだ」

「だから、自衛のためだと言って、直ちには反撃できないということ?」

「これがグレーゾーンということ。そのために、今度の安全保障関連法で、キレ目のない防衛体制を作って、このような場合でも、すぐに反撃できるようしようとしている」

「想定する事態には、もう一つの場合がある。それが、北朝鮮が日本やアメリカに向けてミサイルを撃った時のことさ」

「このようなときに、日本もアメリカと一体となって、北朝鮮を攻撃するンでしょ」

 

「だけど、今度の法律の改正では南シナ海とか、ホルムズ海峡での武力行使ができるようにしようとしているよね」

「今の日米安保条約では、極東地域に限られているよ」

「そう。でも、アメリカからは、『極東で協力するから、南シナ海や中東では日本が協力してくれ』と言われているンじゃないかな」

「アメリカは、南シナ海で中国と対峙するとき、日本の後方支援が必要になる」

「だから、現実は、尖閣列島よりも、南シナ海の方が差し迫っているのかもしれない」

「でも、そうなると、それだけ、戦闘行為に巻き込まれる危険が増すでしょ」

「日本が直接攻撃されていないのに、海外に自衛隊を派遣して武力を行使するというのは、憲法で禁止されているンじゃないの?」

「だから、日本の存立が危機事態になったときという条件を付けて、海外派兵ではなく、自衛のためだけとしている」

「ここが判りにくい条件だよね」

「南シナ海が日本の存立を危うくするということ?」

「安倍さんは、そこを通って石油が来るけど、それが止まると危機になると言っている」

「だから、これを正当化するために、『今の時代は、一国だけで国は守れない。アメリカには助けてもらうのに、アメリカを助けないのはおかしい』と言うんだネ」

「同盟国同士がともに協力することが必要だとも言っている」

「それにしても、相当に無理があるネ」

「これまでも、湾岸戦争のときなんかで、後方支援をしたことがあるンでしょ?」

「これまでのとの違いは、な~に?」

支援する内容が広がる。これまでは給油や医薬品、生活物資の支援だったのが、今後は、弾薬なども含まれるし、また、相手もアメリカ以外の同盟国に広げている。支援する地域も広げている」

 

「それだけ日本の武力行使の内容が拡大しているなら、戦争を放棄した平和憲法のもとにある日本の在り方とは変わるよネ。憲法の改正が必要じゃないかな?」

「これまでの自衛権よりも広げようとしているのに、あたかも変わらないかのような言い回しをしているため、分かりにくいんだよネ」

「本来は、憲法を改正すべきことだよね。でも、安倍さんは、何かの理由があって急いでいる」

「南シナ海のことかなあ?」

「そうなンだ。さっきも言ったように、南シナ海の方が差し迫っていると言える」

「だから、差し当たっては、今の憲法の範囲で、できる限り解釈を広げることによって対応しようとしている」

 

「ということは、南シナ海でアメリカと中国が軍事的に衝突したときに、日本もアメリカを支援することになるということ?」

「そう。だけど、名指しで中国だとは言えない」

「結局は、戦争に巻き込まれる可能性が高くなる」

 

「しかし、政府は、その武力行使には、条件があるから、巻き込まれることはないと言っている」

「そんなことを言ったって、後方支援の内容が、地域や相手、内容まで拡大しているンだから、今以上に戦争に巻き込まれる可能性が大きくなることは確かじゃない?」

 

「民主党の岡田代表が、党首討論で、それを詰め寄ると、安倍さんは、抑止力が強くなるから、外国から戦争を仕掛ける危険が少くなるとかわした」

「つまり、武力を以って武力に対抗することによって、抑止しようとするンだけど、これをすると、互いに軍事力強化の競争になるという恐れがある」

「つまり、中国や北朝鮮のことを考えると、日本は武力行使の範囲を拡大することが必要だし、そのためには、リスクも増える。しかし、政府は、それを否定し、これまでと変わらないと言っている。それは、国民の反発を受けると考えているからだけど、そのことが不信感を募らせているんだ」

「安倍さんは、そのことを率直に言わずに、決めつけとか、はぐらかし、すり替えをしているンだね」

「そう、木を見て森を見ていないと言って決めつけたり、自分が総理だと言って、抑え込みをする」

「自分はヤジルくせに、野党にヤジラレると、カッカきている」

「国会での討論は、国民に対する説明の場でもあるから、分かり易く、丁寧にすべきだよネ」

「安倍さんだけじゃない。ほかの閣僚も、抽象的な表現をしたり、ズレた答弁をしている」

「野党の方も、あまり突っ込みすぎて、政府から中国が対象という本音を言わせてしまったらいけないという躊躇があるのかな」

 

「それにしても、野党は、安全保障政策の内容よりも、政府側の失点を探そうとしている。狙われているのが、中谷防衛大臣と岸田外務大臣」

「いや、一番問題があるのは、安倍さんじゃないかなあ」

 

「ところで、アメリカは、日本をどう見ているのかな?」

「警戒しているね。安倍さんは、中国や韓国との関係で、無用に、相手を刺激するような発言を繰り返している」

「それに、見識のない政治家が、目立ちたいために、靖国参拝をして無用な摩擦を作っている」

「そう、靖国に何の用事があるのかと思うような政治家が参拝しているし、それをマスコミが大きく取り上げている」

 

「戦後70年談話も、注目されている」

「国民の多数は、侵略を認め、謝罪をした方がいいと思っている」

「そう。過去の清算をしたうえで、未来志向をした方がいい」

「安倍さんは、このことについても、また、安全保障や憲法改正についても、国民の意思を反映しようとしないけど、どうしてそこまで強いのかな」

「安倍さんは、戦後レジュームからの脱却を狙っているンだ。いつまでも謝ってばかりではいけないと考えている」

「でも、それを前面に強く出そうとしていることに、アメリカは警戒している」

「日本が強い国になるのはいいけど、強い国になるためには、軍事力だけじゃなく、外交力が必要じゃない?」

「それが、日本の外交力は全く弱い

「北朝鮮には、拉致問題でも翻弄されているし」

「韓国とも慰安婦問題で、解決策の提案すらできない」

「軍事力でも、外交力でも解決できないときには、政治力で解決すべきなんだけど」

「そう、政治家の知恵の出しどころというけど」

「でも、知恵がない」

 

「韓国は、世界遺産登録にも反対し出したね」

「そう、戦時中に朝鮮民族が強制連行された施設だという」

「中国も、日本が核拡散防止会議での、各国の指導者が広島、長崎の原爆被災地を訪問することを薦めるという決議を出そうとしたときに、反対した」

「どちらも、その反対する理由が、こじつけだよね」

「中国や韓国は、どこまで反日的なのかな」

「だから、日本人も反中、嫌韓意識が強くなっている」

「それが、安倍さんの安全保障の強化を引き出しているとも言える」

犬太郎

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