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コラム

『昭和をあじわう-ある音楽番組に誘われて-』2

2019.3.3
執筆者:宮島孝男

 2月15日(木)、FM鹿児島に遠山明男さんを訪ねた。

 MBCラジオのフロアディレクター等のバイト(学生時代)やタレント活動を経て、1992年、FM鹿児島へ開局と同時に入社した。時間はすぐ縮まった。20数年ぶりが嘘のようである。忘れていたが、下戸の彼に初めてバーボンを薦めたのも私だったらしい。

 『おはよう昭和音楽館』の話題に移る。

 今年で11年目になるが、当時の社長から「FMは若者のイメージがあるが、いろいろな層に聴いて欲しい。上の層を新規開拓する、また去った若者も戻ってくるような番組を」との下命があり誕生したという。番組プロデュースからディレクター・パーソナリティすべて遠山さんがこなしている。

 番組コンセプトが素晴らしい。この番組の全てを物語っているので、少し長くなるが紹介しよう。

 「映画『ALWAYS 三丁目の夕日』、グリコのおまけの大人買い、昭和のジオラマ企画誌、学習雑誌の付録の復刻など昭和を題材にしたものが大ヒットしている。これは当時を体験している世代だけでなく平成生まれの若者も巻き込んでいる。それはなぜか?原体験世代は戦後の復興から高度経済成長、オイルショックといいことも悪いことも全て含めて“あの頃”のエネルギーを思い出し、若い世代は復興、経済成長といった自分たちが経験していない日本の、日本人のエネルギーに驚き、憧れる。当時のヒット曲にも世代を越えて人々の心の琴線にふれるやさしさ、今とはちがうメロディー展開・・・とにかく人々を魅了してやまない何かが存在しているようだ。番組ではそういった40代以上の世代ならほぼ皆さん聞いたことがある楽曲を毎週一つのテーマ、ジャンルにしぼってフルコーラスでかける。原体験世代にはなつかしさだけでなく、その曲を聴いていた当時の延長として今の自分がいることを再認識してもらい、平成世代には今第一線のヒットミュージック、アーティストのルーツも感じてもらえる。そんな番組を目指す」

 続く昭和ブーム、先日のテレビの夕方ニュースでは特集『平成の終わりに昭和レトロ テレビ・レコード・ラジカセ 昭和家電がミニチュアサイズに』が流れていた。

「アーティストにしてもミュージシャンにしても原点は昭和にあります」

「聴き手によって見えてくる風景が違うから、曲の紹介のみに徹し敢えて詳しくは触れません。そしてフルコーラスでたっぷり聴いてもらいます」

 と遠山さんは補足した。

 「MY WAY MY MUSIC~わが道そしてわが音楽たち」のコーナーについて聞いた。

「55分と尺が長い。歌もたっぷりかかっていいが、鹿児島にもいろいろな人がおり、思い出の曲をもっているはず」

 現堂脇悟社長よりアドバイスがあり、2016年6月から音楽番組+αへとステップアップした。

 これまでの出演者の中には、昨年度まで県副知事を務めた小林洋子さんもいる。出演者からは、「ここまで自分を振り返ることはなかった。いい経験をさせてもらった」と感謝されているようだ。

 『おはよう昭和音楽館』の聴取者の多くはやはり40、50代以上の年輩者である。日曜日に仕事の人もいる。エンディングでは「お仕事の方も、素敵な日曜日をお過ごし下さい」と配慮を忘れない。

 第5日曜日はオールリクエスト。この番組を楽しみにしている常連に加え、かねて他の番組にしか出さない人からもリクエストがくるそうだ。

 終わりに、遠山さんは今後の抱負など次のように語った。

「昭和歌謡のブームは続く。テレビの改編期音楽特番も昭和が多い。まもなく平成が終わるが、地道に昭和で通したい」

 そこで私からのお願い。

 番組ではこれまで、歌手別以外にも年代別、鹿児島出身歌手・芸能人、作詞家、作曲家、コミックソング、テレビ番組テーマソング、ドラマ・映画主題歌等々、さまざまな特集も組んできた。本稿1で井上陽水に歌詞の指導をしたディレクターの多賀英典さんについて触れたが、こうした名物ディレクターなど陰の存在はほとんど知られていない。興味深いドラマが隠れている。ぜひ番組で取り上げるなり触れるなりしてもらいたい。

 そして遠山さんは自分に言い聞かせるかのようにこうつけ加えた。

「友だちに恵まれた。音楽や放送への入り口を与えてくれた友だちに心から感謝している。ただ、そんな音楽好きな友だちはみんな放送以外の職業に就いた。自分が頑張ることで恩返ししたい」と。

 別れ際には、おととし亡くなったお母さんの昔の家計簿に「明男は何を考えているかわからん」の言葉があったとも明かしてくれた。そのお母さん、今は天国で『おはよう昭和音楽館』を楽しみに聴いておられることだろう。時には息子との日々を思い出しながら。

宮島孝男

宮島孝男

1954年 鹿児島県生まれ。
1973年 鶴丸高校卒業、1979年、九州大学文学部卒業(社会学専攻)
 同年   MBC南日本放送入社。企画部長・マーケティング担当部長や鹿児島総合研究所の企画研究部長・地域政策部長等を歴任
2007年 鹿児島県議会議員(1期)
2013~2016年度 志學館大学非常勤講師
2019年 ㈱言論鹿児島 シニア・フェロー

これまで、県・市町村やJA・商工会等の各種プランを策定、南のふるさとづくりコーディネーター・アドバイザー、県・市町村の審議会・行政評価委員会等の委員、自治研修センター・鹿児島市生涯学習プラザ等の講師を務める。講演多数。
2011年から著書の出版、新聞・雑誌等への投稿・寄稿など本格的に執筆活動を行っている。
2019年から「鹿児島ウォッチャー」に論説、コラム、エッセイなど執筆を始める。

【著書】
・『ウォッチ!県議会 県議って何だ!?』(南日本新聞開発センター)
・『こげんする!鹿児島-鹿児島地域づくり実践編-』(南方新社)
・『どげんする?鹿児島-鹿児島地域づくり戦略論-』(南方新社)

【執筆歴】
・「月刊ずいひつ」(日本随筆家協会)
・「随筆かごしま」
※「月刊ずいひつ」と「随筆かごしま」は休刊中
・南日本新聞「時論」

【受賞歴】
「第24回随筆春秋コンクール」(2018年)奨励賞受賞

趣味は読む、書く、歩く、たまの登山

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