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コラム コト

『健幸のまちで歩幸!』2  -「第27回いぶすき菜の花マーチ」に参加-

2019.2.1
執筆者:宮島孝男

 10時50分、先着の従兄の笑顔に迎えられ魚見岳山頂に到着した。ここでもおもてなし(湯茶接待)の場は大混雑だ。協賛の財宝のミネラルウォーターをゲットする。

  そして、「大隅を遠景としていぶすきの海たひらかに青む夕暮」(与謝野寛)の石碑の前で記念撮影。寛は本名。言わずと知れた与謝野晶子の夫で歌人、与謝野鉄幹の和歌だ。鉄幹は果たしていつごろ指宿を訪れたのだろう。

 下山に入る。少し下ると魚見岳では珍しく菜の花畑があった。そこから知林ヶ島が目前に見える。有名な陸と島がつながる道は今は満潮のため見られない。道らしきところに白波がぶつかり合っている。干潮になれば道が浮上し地続きになるのだろうが。ここでも記念撮影。

 途中、「空気がおいしい」と従兄がつぶやく。確かにそうだ。「目」で歩き、「耳」で歩いて来たが、「鼻と口」で歩くもありだなと思う。

 喜入の石油基地が眼前に迫ってきた。左側は大きく湾曲している。薩摩半島東岸を地図でなぞるようだ。

 下山で辿り着いたところは海岸沿いであった。ここから休暇村指宿方面へ向かう。海は時化ている。かつて見た冬の日本海のように。うねる大波が堤防を超えては繰り返し繰り返し押し寄せ、パシャッパシャッと道路にしぶきをたたきつけてくる。

 しぶきがかかるのを避けるため、私たちはなるべく反対側を土手づたいに歩く。それでもしぶきは左肩や腕、リュックに少々かかる。わざとはしゃぐように波しぶきをかぶる男児もいる。無邪気なものだが風邪を引かなきゃいいがと心配になってくる。「菜の花マーチ」が一時「波しぶきマーチ」に、このような体験はそうあるものではない。忘れられない思い出となった。

 しばらく松林沿いを歩いていくと、「指宿海軍航空基地跡 慰霊碑公園」の看板が目に入った。歴史好きな従兄が「立ち寄ろう」と言う。私は昨年『生き残ったもの 最後の責任』という随筆など書くため、指宿市在住の93歳の戦争生存者にインタビュー後、ここを訪れていた。

 感慨を新たに佇んでいると、年配の男性がおもむろに姿を現わした。「広島から参加した人だった」、従兄が後から教えてくれた。指宿に基地(水上偵察機基地)があったことはあまり知られていない。特攻戦没者数75人とされている。合掌。

 ヤシの木が高々と聳える通りをしばらく歩く。寄り道をしたのでやや遅れて12時40分、なのはな館に無事到着。急にお腹がすいてくる。完歩証をもらい、弁当を引き取る。長い行列に並びさつまだんご鍋汁とからいものてんぷらをもらうと特設テントで待ちに待った昼食だ。やはり格別においしい。

 さつまだんご鍋汁とアフロ des MISHIMAのジャンベ演奏で心も身体もだんだん温まってきた。

 マーチからの帰路に就く。なのはな館から20分ほど歩き、創業明治28年の東郷温泉に入る。浴場が少し龍馬公園塩浸温泉に似ている。先ずぬるめのお湯に浸かる。熱く感じられるのは、それほど身体が冷えていたということか。そのうちだんだんぬるく感じてきたので、ふつうの湯船に移る。ちょうどいい湯加減だ。

 ゆったりと身体を沈め、目を閉じて今日一日を振り返る。そういえば、指宿のシンボル開聞岳、その雄姿を今日は拝んでいない。従兄もそうだという。私たちだけだったのか、天候やコースの関係で誰もが見られなかったのか。ちょっとした忘れ物をしたような気分になった。

 帰りの列車は今日の締めにふさわしく黄色の車体のなのはな号。ここで得意の?親父ギャグをひとつ。「歩幸」の後は「アルコール」。協賛のキリンビールとワンカップ焼酎「利右衛門そのまま」(16度、ストレートで飲める)を買い、車内で飲みながら共催の朝日新聞(特に土曜書評欄)を読む。約1時間、至福の時が流れた。

 早朝武岡から歩いた従兄の今日の記録は23.7km、31,830歩であった模様。「快き疲れなる哉」、隣からスースー寝息が聞こえてくる。

 指宿市の大会関係者並びに市民の皆さん、参加仲間の皆さん、本日はお疲れ様でした。また素晴らしい一日をありがとうございました。

 終わりに、歩くことは、このように頭と体の運動(健康法の王様)、自然・街・人との出会い・ふれあい、プラスαといいことずくめだ。

 ちなみに、「第7回鑑真の道歩き」は来る2月23日24日、「第23回龍馬ハネムーンウオークin霧島」は3月16日17日の開催である。読者の皆さん、歩く喜び、歩く効能、「歩幸」を感じてみませんか。

宮島孝男

宮島孝男

1954年 鹿児島県生まれ。
1973年 鶴丸高校卒業、1979年、九州大学文学部卒業(社会学専攻)
 同年   MBC南日本放送入社。企画部長・マーケティング担当部長や鹿児島総合研究所の企画研究部長・地域政策部長等を歴任
2007年 鹿児島県議会議員(1期)
2013~2016年度 志學館大学非常勤講師
2019年 ㈱言論鹿児島 シニア・フェロー

これまで、県・市町村やJA・商工会等の各種プランを策定、南のふるさとづくりコーディネーター・アドバイザー、県・市町村の審議会・行政評価委員会等の委員、自治研修センター・鹿児島市生涯学習プラザ等の講師を務める。講演多数。
2011年から著書の出版、新聞・雑誌等への投稿・寄稿など本格的に執筆活動を行っている。
2019年から「鹿児島ウォッチャー」に論説、コラム、エッセイなど執筆を始める。

【著書】
・『ウォッチ!県議会 県議って何だ!?』(南日本新聞開発センター)
・『こげんする!鹿児島-鹿児島地域づくり実践編-』(南方新社)
・『どげんする?鹿児島-鹿児島地域づくり戦略論-』(南方新社)

【執筆歴】
・「月刊ずいひつ」(日本随筆家協会)
・「随筆かごしま」
※「月刊ずいひつ」と「随筆かごしま」は休刊中
・南日本新聞「時論」

【受賞歴】
「第24回随筆春秋コンクール」(2018年)奨励賞受賞

趣味は読む、書く、歩く、たまの登山

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