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コラム コト

『健幸のまちで歩幸!』1  -「第27回いぶすき菜の花マーチ」に参加-

2019.2.1
執筆者:宮島孝男

 昨年10月の「妙円寺詣り」から月1回ペースで従兄と歩いている。11月はNHK大河ドラマ『西郷どん』のロケ地・加治木「龍門司坂」(たつもんじざかと読む)周辺を、12月は鹿児島市内の南洲墓地や島津斉彬・久光の眠る福昌寺など西郷ゆかりの場所を歩いた。

 今年の歩き初めは1月26日27日開催の「いぶすき菜の花マーチ」、魚見岳や休暇村指宿などをめぐる初日の10kmコースにした。

 目覚ましをかけていたが、外の強い風の音で早くに目が覚める。日中も10度ぐらいしか上がらないとの予報どおり、朝の冷え込みも厳しい。

 6時54分発山川行きの列車に乗る人たちが、鹿児島中央駅のホームに集まって来る。リュックを背負っている。ほとんどマーチ関係者であろう。やはりシニア層が多い。自然と挨拶や会話がはずんでいる。

 8時7分指宿駅着。送迎バスも待機していたが、私たちはマーチの発着地点・ふれあいプラザなのはな館まで約30分かけて歩いた。

 体育館で受付を済ませ、記念のTシャツをもらう。ゼッケンをリュックに取り付け広場に出ると、ステージを彩る黄色鮮やかな菜の花が歓迎してくれる。

 タイミングよく豊留悦男指宿市長の挨拶が始まった。遠くは韓国など海外や北海道北見市から参加があるとのこと。引き続き、本坊輝雄南さつま市長と山口剛霧島市副市長もそれぞれPRの挨拶に立った。

 「いぶすき菜の花マーチ」「南さつま海道鑑真の道歩き」「龍馬ハネムーンウオークin霧島」を「かごしま春の3大ウオーク」と銘打ち、3市合同でスタンプラリーを開催、地元の特産品をプレゼントしている関係からだ。

 セレモニーの後は、迫百代さん、前田ことみさんふたりのインストラクターによる準備体操。NHL連続テレビ小説「まんぷく」の主題歌『あなたとトゥラッタッタ』と国民的大ヒットのDA PUNPの『U.S.A』に合わせて楽しく軽快にパフォーマンス。寒さで縮み上がった身体もどうやらほぐれたようだ。「健幸のまちづくり」を推進する指宿市ならではである。

 スタートまで、大会協賛の森永製菓の甘酒とチョコレートでちゃっかりと英気を養う。ダイエット中の私も今日だけは甘いもの解禁だ。ブースの先に人だかりができている。くららちゃんという山羊もマーチに参加するらしく、写真撮影でにぎわっているのだ。

 9時30分、いよいよスタートとなった。たまたま目の前の女性のゼッケンには「千里の道も一歩から」とある。「雨ニモマケズ風ニモマケズ」のゼッケンも。ゼッケンも何かと楽しませてくれる。「3大ウオーク」へのオール参加を目指しスタンプを押してもらう人も多くいた。

 当分はマラソンと一緒で長い隊列が続く。歩く前方の空には、海鳥の一種か群れを成して私たちを引率してくれている。

 魚見岳登口の魚見小学校までは、白い花をつけた農作物が菜の花より多く目に付いた。参加者に交じって近くを歩いておられた豊留市長に質問したら、「スナップえんどうです」と教えて下さった。そらまめに並ぶ市の有力な特産品になってきているとも。

 ちなみに指宿市は観光のイメージが強いが農業のまちでもある。そらまめ(生産量日本一)、実えんどう、紅さつまいも、マンゴーの4産品がかごしまブランドの指定を受けているし、オクラも生産量日本一を誇る。

 突然、「宮島さん、おったおった歩いちょやせんな。元気じゃっけ。“はし”と歩かんないかんど(よたよた歩いてはいないか。元気かな。しっかりと歩かないといけないよ)」、親しげに背中をポンポンとたたきながら励ます人物がいる。

 誰かと思えば、旧知の本坊輝雄南さつま市長だ。開会式でもそうだったが、鹿児島弁を取り入れたユニークな挨拶が特徴の市長である。今日も鹿児島弁を駆使して南さつま市のトップセールスに余念がない。もう一方の霧島市の「龍馬ハネムーンウオーク」PR隊も、“霧島の西郷どん”こと中堀清哲実行委員長を先頭に旗を掲げ意気揚々と歩いている。

 そういえば、両腕を前後にリズミカルに動かしながらさっそうと歩く女性を見ていると本当に気持ちが良い。『さっそうと歩く人は、「気持ちの」の背筋もグーンと伸びる』という言葉を思い出した。

 魚見岳登口に到着した。おもてなし(湯茶接待)の魚見公民館は大混雑、飴だけキャッチして休憩もそこそこに再スタートした。

 ところで、魚見岳について大会記念誌では次のように案内してある。

 「標高214.8mでハワイのダイヤモンドヘッドに似ていることから、東洋のハワイと呼ばれている。その山頂からは、指宿市街地をはじめ陸と島がつながる神秘的な『知林ヶ島』や、大隅半島など素晴らしい大パノラマの景色を見ることができる。また、3月下旬から4月中旬にかけては、約1000本の桜が開く名所としても楽しめる」と。桜の季節に是非訪れてみたいものだ。

 「魚見の名の由来は何だろう。この山から魚の群れを監視していたのだろうか。イルカやクジラの群れも見られたのかな」そんな会話を従兄と交わす。そういえば、朝なのはな館に向かう途中、乗船寺というお寺もあった。

 キーキーという山鳥(ひよどり?)の声、チイチイと目白の鳴き声も。指宿の春は近い。小説家で随筆家の内田百閒が『目白』という随筆で、「目白は仲間の鳥を呼び寄せる時には、エキエキと鳴く。高音を張って、チイチイと鳴き立てるよりはエキエキと鳴く方が有効な様だ」と書いていた。農山村で生まれ育った私だが、未だにエキエキの鳴き声を耳にしたことはない。

 息が弾んでもおしゃべりを一向に止めない後ろのおばちゃん鳥たちに感心していると、ハッハッちょっと違った息づかいが聞こえる。さりげなく後ろに退いてゼッケンを見ると、横浜市より参加のKさん83歳、「歩けることに感謝 挑戦するものがある限り青春」と記したオリジナルのゼッケンもぶら下げている。歩く三浦雄一郎さんだった。

 坂を登るにつれ汗ばんでくるが、いきなり冷たい風が吹いてくる。ジャンパーを脱がなくて正解。道中、白波の立つ海が見える。発着場のなのはな館も。本県出身の著名な建築家・高崎正治氏の設計で、奇抜なデザインが指宿市のランドマークともなっており、写真に収める人が多い。

 気がつくと、従兄がいない。後で聞いたら、健脚かを試すためピッチを上げてみたとのことであった。あっぱれ!

宮島孝男

宮島孝男

1954年 鹿児島県生まれ。
1973年 鶴丸高校卒業、1979年、九州大学文学部卒業(社会学専攻)
 同年   MBC南日本放送入社。企画部長・マーケティング担当部長や鹿児島総合研究所の企画研究部長・地域政策部長等を歴任
2007年 鹿児島県議会議員(1期)
2013~2016年度 志學館大学非常勤講師
2019年 ㈱言論鹿児島 シニア・フェロー

これまで、県・市町村やJA・商工会等の各種プランを策定、南のふるさとづくりコーディネーター・アドバイザー、県・市町村の審議会・行政評価委員会等の委員、自治研修センター・鹿児島市生涯学習プラザ等の講師を務める。講演多数。
2011年から著書の出版、新聞・雑誌等への投稿・寄稿など本格的に執筆活動を行っている。
2019年から「鹿児島ウォッチャー」に論説、コラム、ルポ、随筆など執筆を始める。

【著書】
・『ウォッチ!県議会 県議って何だ!?』(南日本新聞開発センター)
・『こげんする!鹿児島-鹿児島地域づくり実践編-』(南方新社)
・『どげんする?鹿児島-鹿児島地域づくり戦略論-』(南方新社)
                                
2016年から南日本新聞「時論」等に投稿中
「第24回随筆春秋コンクール」(2018年)で奨励賞受賞

趣味は読む、書く、歩く、たまの登山

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